2026年3月、九州沖縄地区の高専を主な対象とした「九州沖縄ロボコン交流会」が熊本県阿蘇市で開催されました。本交流会では、高専ロボコンを目指す1、2年生の技術力向上を目的とした「九州沖縄共同ロボットコンテスト(以下、共同ロボコン)」も実施。今回は、交流会や共同ロボコンの企画・運営に携わった高専生4名に、開催の目的や当日の振り返り、交流会やロボコンへの想いをお聞きしました!九州沖縄ロボコン交流会とは?・ 九州沖縄地区の高専ロボコン等に取り組む高専生同士が、技術交流を行い、親交を深めることを目的として、2014年度より開催・ 今回が11回目の開催で、約280人が参加交流会で行われたプレゼンテーション(左)やブース展示(右)共同ロボコンとは?・ 毎年異なる競技テーマに基づいてロボットを製作し、競技を行うロボットコンテスト ・ 高専ロボコンを目指す主に1、2年生の技術力向上と、競技を通じた技術交流を目的として実施九州沖縄地区で切磋琢磨! 交流会の原点― 九州沖縄ロボコン交流会について教えてください!Takato Mさんこの交流会は、各高専が技術や情報を持ち寄って共有することで、九州沖縄地区全体のレベルを底上げし、高専ロボコン全国大会出場、さらには全国大会での上位進出を目指そう、という想いから始まりました。交流会では、高専ロボコンを模した「共同ロボコン」も開催していて、1、2年生のうちからものづくりの楽しさや、勝負の難しさを学べる場となっています。一方で、上級生が幹事団や共同ロボコン競技委員として運営を担うことで、高専ロボコンを競技の参加者と異なる視点で捉えられる点も、この交流会ならではだと思います。Takato Mさん「今度は自分たちが支える番!」 選手から運営への一歩― なぜ運営側としてこの交流会に関わろうと思ったのでしょうか?Arisu Nさん私は1、2年生の頃に共同ロボコンに出場した経験があり、ルール発表からアイディア出し、ロボット製作、そして大会本番まで、高専ロボコンと同じ流れを一通り経験できました。その中で、「自分はロボコンにちゃんと関わっているんだ!」と実感でき、それまでは “見るのが好き”だったロボコンが、“取り組むのが好き”に変わりました。同じ学校の先輩方が共同ロボコンをつくり上げていた姿も見て、今度は自分が後輩たちにその経験を還元したいと思い、競技委員を担当することを決めました。Arisu Nさん高専ロボコンにつながる大会を目指して今回の共同ロボコンの競技テーマは「トン・デ・リング」。ロボットが自作の輪を、パイロンやボックス、アンテナ、相手チームが操縦するロボットの上に乗ったかご等、得点の異なるスポットに投げ入れて競う競技です。(詳細はこちらをご覧ください。)出場チームが製作するロボットには、当社のモーターも活用されています。― 共同ロボコンは、どのような考え方で企画やルールを設計したのでしょうか?Arisu Nさん学生に「どのような経験をしてほしいか」「どのような力を身に付けてほしいか」を軸にルールを検討しています。近年の高専ロボコンでは、紙飛行機やカラーボールといった柔らかい物体を扱う競技や、試合中の戦略性が重視されていると感じています。そこで今回は、「試合中の柔軟な対応力」と、「柔らかい物体の射出」をキーワードにしました。具体的には、相手チームの動きや状況を見て戦略を柔軟に変える力を身に付けてもらうため、相手チームのロボット上のかごに輪を入れると、高い点数が得られるルールを取り入れました。その結果、試合展開を見ながら積極的にロボット上のかごを狙うチームが多く、狙いとしていた駆け引きが生まれたことが嬉しかったです。また、高専ロボコンを目指す1、2年生にとって良い経験になるよう、ピットゾーンのサイズや大会運営のタイムスケジュール等、高専ロボコンのルールに忠実に則った大会運営を実施しました。競技に取り組む参加者競技を彩ったロボットたちの工夫― 今回の共同ロボコンで、特に印象に残っているロボットや技術的な工夫があれば教えてください!Arisu Nさん特に印象に残っているのは、共同ロボコン大賞を受賞した熊本高専熊本キャンパスBチームです。他高専にはあまり見られない独自のアイディアや機構が盛り込まれていました。熊本高専熊本キャンパスBチームのロボットの特長Hiroto Kさん副審として見ていて印象に残ったのは都城高専です。正確な操作や選手同士の連携から、相当な練習を重ねてきたことが伝わってきました。振り下ろす豪快な機構も装飾も含めて、見ていて楽しいロボットでした。都城高専のロボットの特長Hiroto Kさん学校を越えて広がるつながり!― 学校同士の交流について、印象に残っていることはありますか?Takato Mさん交流会の前からSNSでやり取りしている学生も多く、初日に「久しぶり」と声をかけ合っている場面を見ると、学校の垣根を越えて関係が深まっていると感じます。直接顔を合わせて話せる交流会を通じて更に仲を深め、その関係性のまま地区大会で切磋琢磨できているのは、とても良い流れだと思っています。交流を深める参加者後輩たちの成長に重なった、「やってよかった」という実感!― 交流会全体を通して特に嬉しかったことは何ですか?Kazuma Iさん後輩のチームが共同ロボコンで優勝したことが嬉しかったです。夜遅くまで調整や練習に励む姿を見ていたので、その努力が報われて喜んでいる様子を見たときは本当に感動しました。Kazuma IさんArisu Nさん無事に閉会式まで進行でき、ほっとしました。選手たちの笑顔や悔し涙、嬉し涙を見て、ここまで準備してきて本当に良かったと心から感じました。Hiroto Kさん個々の力がより高められるよう、あえて後輩たちには多くの助言をせず、自分たちで考えてロボットづくりに取り組んでもらっていたので、練習や大会を通じて成長していく姿を見て、胸が熱くなり、思わず涙が出そうになりました。共同ロボコンに参加したメンバーが、今年の高専ロボコンの主力になると思うととても頼もしいです。交流がつないでいく、次の挑戦― この交流会を通じて、九州沖縄地区の高専生にどのような姿になってほしいと考えていますか? また、今後の抱負を教えてください!Arisu Nさん共同ロボコンで得た経験を糧に成長した皆さんが高専ロボコン全国大会で活躍してくれることを期待しています。「九州沖縄地区ってすごい」「おもしろい」と思ってもらえるようなロボットで、多くの人を魅了してほしいです。Kazuma Iさん高専ロボコンは、技術力とアイディアの両方が求められるとても大変な大会ですが、困難な状況でも最後まで諦めずに努力を続けてほしいです。今後は、地区一丸で、他地区に負けないように取り組んでいきたいです。ライバルであり、仲間でもある、そんな関係性を大切にしていけたらと思いますHiroto Kさんアイディアを思いつくだけで終わらせず、実現できる技術力を身に付ける場にしていきたいです。Takato Mさん機構を見せ合ったり、技術や開発スケジュール等の幅広い情報を共有したりしながら、学びを深め、地区全体の技術力向上、ロボコン振興につなげていきたいと思います。2014年度から九州沖縄地区全体で力を合わせ、交流会を継続しながら技術力向上につなげてきた歩みに、深く感銘を受けました。交流会や共同ロボコンで得た経験や学びを糧に、更に成長した皆さんと、高専ロボコン2026九州沖縄地区大会でお会いできることを心より楽しみにしています。貴重なお話をありがとうございました!