2025年11月、当社が協賛する「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト(高専ロボコン)2025 全国大会」が国技館(東京・両国)で開催されました。今回は、ユニークな蜈蚣(むかで)型ロボットで会場を魅了し、マブチモーター賞を受賞した米子高専の皆さんに、ロボット製作の裏側や大会への想いを伺いました!高専ロボコン2025の競技課題「Great High Gate」とは?大きさや形の異なる5種類のボックスを積み上げてゲートをつくり、そのゲートを人が乗った台車とロボットが連結して通過するもの。3分間の競技時間内で、高いゲートをつくって「高さ得点」を狙うことも、繰り返しゲートを周回して「ゲート通過得点」を積み重ねることも可能。各チームが多様な戦略とそれを実現するアイディアが詰まったロボットを披露しました。高専ロボコン2025への挑戦!― 皆さんはどのようなメンバーで活動されているのでしょうか?私たちは「ロボコン同好会」として活動しています。現在20名のメンバーで、日々ロボット製作に取り組んでいます。― 「Great High Gate」を勝ち抜く上で講じた作戦を教えてください!当初は、ロボットがボックスを挟んで持ち上げる設計を検討していましたが、この方法ではロボットのサイズが大きくなりすぎることに加え、高い位置に重い機構を載せるため安定した動きが難しくなってしまいました。そこで、安全に高いゲートを構築するために、「試合前のセッティングタイム中は、自チームのエリアに置いてあるボックスを自由に並び替えても良い」というルールに着目しました。人の手のみでボックスを積み重ねて、確実にゲートを完成させる作戦にしました。8輪オムニホイールが生む安定搬送!ロボットに込めた工夫― ロボットのコンセプトを教えてください!自チームのエリアにあるすべてのボックスを使って人の手のみでゲートをつくろうとすると、ボックスの個数の関係上、ゲートの天井部分には400mmの立方体ボックスを使う必要がありました。そのため、ロボットはそれに合わせる形で細長い形状にしました。ロボット本体が細長く展開する動きや、8輪のオムニホイールで動く様子がまるで蜈蚣のように見えたため、ロボットを「蜈蚣」と名付けました。― ロボットの特長や工夫を教えてください!― ハード面で苦労した点はありますか?高く積み上げたゲートは13㎏の重量があるため、これを運搬する足回りの設計には苦労しました。当初12輪のオムニホイールを検討しましたが、ロボットの重量制限に加えて、ホイールが多いとパワーは出せるものの、フィールドに接地しないホイールが出てくるなどの問題がありました。そこから改良を重ね、簡易的なサスペンションを付けて8輪まで減らし、重量制限内で安定性を高めることができました。― ソフト面で苦労した点はありますか?PID制御ですべてのオムニホイールを同じ速度で回転するように制御することが大変でした。特に、ゲートの下にシートを差し込む際や、ゲートを吸盤で引き込む際、8輪あるオムニホイールの接地圧がそれぞれ均等ではなくなります。そのため、エンコーダーからの信号を読み取ってそれぞれのモーターの出力を増減させることで、安定して走行するように工夫しました。※PID制御(Proportional-Integral-Derivative Controller)とは、目標値と現在値の偏差を基に、比例(P)、積分(I)、微分(D)の3つの動作を組み合わせて操作量を調整するフィードバック制御フィールドづくりから始まる、準備と練習の好循環― 大会への準備で大変だったことや、工夫したことはありますか?練習する場所が体育館だったため、週末の練習時にはビニル床シートを使ってフィールドをつくる作業から始める必要があり大変でした。また、大会へ向けた準備では、チームワーク向上のためにメンバーで集まってミーティングをしたり、一緒にご飯を食べたりして、コミュニケーションを密に取ることを心がけました。練習の合間にかくれんぼ等の適度な息抜きを入れたことで、練習にメリハリがつきました。学びを勝利へつなぐ! 常勝チームを目指して― 大会を振り返って、今の気持ちを聞かせてください!地区大会では前日のテストランの時点で、全国大会に進めるのではないかと自信をもっていました。しかし、実際はギリギリでした。少しでも操作にラグがあったら勝ち進めなかったと思います。全国大会では残念ながら一回戦で敗れてしまいましたが、自分たちが思い描いていた通りの動きを試合中に見せることができました。チームのみんなで協力し合った成果だと思います。― 今後の抱負について教えてください!毎年「冬ロボ」と呼ばれる校内のロボコンイベントを開催しています。このイベントは1、2年生を中心にロボットの設計から制御まで行い、実践的な技術を習得する貴重な機会となっています。最近では、このイベントに近隣の高専も参加していただけるようになり、他校からも刺激をもらえる成長の機会となっています。全国大会に毎年出場することを目指して、今後も努力を続けていきたいと思います。米子高専の皆さんの情熱と技術力、そしてチームワークの素晴らしさが伝わるお話でした。ユニークなロボット「蜈蚣」に込められた工夫の数々や、困難を乗り越えて大会に挑む姿勢は、まさに高専ロボコンの醍醐味といえます。今後の皆さんの更なる活躍を心より応援しています!