当社にはものづくりに情熱を注ぎ、プライベートでもその技術を活かして挑戦する社員が多くいますが、今回は当社モーター「RC-260RA」を使用してロボットを設計・製作し、小型ロボット競技会「BRAVE」で技術賞を受賞したマブチモーターエンジニアリングの社員Yuki Oに、ロボットのこだわりやものづくりへの想いをインタビューしました!Robot Competition Series ”BRAVE”とは?凹凸のあるフィールド上で複数のロボットが同時に競い合う、無線操作によるサバイバル形式のロボット競技です。機体サイズは約A4判以内・高さ500mm以内、機体重量は1500グラム以下、使用可能モーターは小型ホビー向けのモーター(130サイズ・260サイズ)が規定されています。※大会の詳細はこちら。つくる喜びが原動力! 挑戦への想い-BRAVEに挑戦しようと思ったきっかけを教えてください!かっこいいデザインや構造を考え、それを形にすることが好きで、大学時代には毎年この大会に挑戦していました。今回は趣味で設計したロボットを実際に形にし、その動きを自分の目で確かめたいと思い、出場を決意しました。大学時代はチームで取り組んでいましたが、今回は初めて個人で挑戦しました。新しいアイディアを実現!ギアボックスのコンパクト設計と左右独立型アーム―大学時代から参加されていたのですね!どんなポイントにこだわって今回のロボットを製作されたのでしょうか?【こだわりポイント】限られた時間の中で製作を進めるため、部品点数を減らしメンテナンス性を向上させる工夫も行いました。このロボットには「RC-260RA」を使用しています。3Dプリンターを活用したロボット製作の工夫とは?―こだわりがたくさん詰まったロボットなのですね!製作する中で実現が難しかった点はありますか?今回、自宅の3Dプリンターを活用し、一からロボットを製作しました。歯車の噛み合わせの調整に苦労しましたが、印刷スピードを遅くすることで設計どおりの形状を再現できるよう工夫しました。また、樹脂の使用量を減らすことで、歯車の形状を細く、美しく仕上げることができました。オムニホイールの設計にも苦労しましたが、業務を通じてモーターに関する様々な構造を学んでいた経験が、困難を乗り越える大きな助けになりました。苦労して設計・製作したオムニホイール―一人での大会準備は大変だったと思いますが、どのように工夫して乗り越えましたか?設計段階でうまくいくと予想していた構造が思いどおりにできない場面もあり、そのたびに試行錯誤を重ねました。トラブルが続く中でもスケジュールどおりに製作を進めるため、タイヤ部分のパーツを3Dプリンターで印刷中に他の部分の設計を行うなど、効率化を図りました。必要に応じて予定していた機能を諦める決断をすることで、全体の完成度を優先しました。自宅の3Dプリンターで部品を製作(左)、タイヤ部品の組み立て(右)「想像どおり動いた!」 達成感溢れる瞬間―工夫して一つずつ乗り越えられたのですね!準備期間中に嬉しかった瞬間や、楽しいと感じた瞬間があれば教えてください!ロボットを組み立て、想像どおりに機能した瞬間は、とても嬉しかったです。一人で挑戦しましたが、大学時代の友人と電話で話したり、アドバイスをもらったりしながら作業を進めたため、楽しく取り組むことができました。技術賞を受賞! 大会で得た成果と次へのヒント―大会を振り返ってみていかがですか?試合会場でロボットがしっかり動作したことに、まずは安堵しました。また、大会本番で焦って操縦ミスをしないよう、コントロールしやすいタイヤ駆動を設計したことで、自分が想定した動きや移動を実現できたことは大きな成果でした。一方で、アーム部分の操作が難しく、相手の機体をうまくひっくり返すことができなかった点は非常に悔しかったです。また、ロボットが転倒した際に復帰できる機能を設けていましたが、本番ではその機能を十分に発揮することができませんでした。事前検証が不足していたと感じており、今後の改善点として捉えています。技術賞を受賞したYuki O(提供写真)大会では、新しい構造や挑戦を取り入れたロボットに贈られる「技術賞」を受賞しました。新たに挑戦した左右独立型アームやタイヤ周りの構造に対して評価をいただけて、とても嬉しかったです。今後も新しい構造を考えて形にする意欲が高まりました。また、他の参加者のロボットを見てその構造を学べたことは、とても楽しい経験となりました。初めての個人出場でしたが、ものづくりが好きな多くの参加者と交流でき、大会を通じて充実した時間を過ごせました。―大会を通じた気づきや学びについて教えてください!作業において優先順位をつけることの重要性を改めて学びました。さらに、ロボットを実際に使用する場面を想定しながら設計を進めることの大切さにも気づきました。机上の設計だけではなく、実際の動作や使用環境を具体的にイメージすることで、より実用性の高いロボットが作れると感じました。これからも続く、ものづくりへの挑戦―とても充実した大会だったのですね!今後の抱負について教えてください。ものづくりが好きな同期の社員と、同様の外部の大会に是非参加したいと考えています。また、4月に開催された社内ロボコン大会のような取り組みが、モーターを活用した新しい構造やアイディアを生み出すきっかけになると感じています。「物を投げる」や「物を運ぶ」といった多様な動きを求める社内ロボコン大会が開催されれば、積極的に参加したいです。業務の面では、依頼に応じて寸法どおりかつ精度の高い金型部品を作れるよう、自分の技術を更に磨いていきたいと考えています。