当社は2004年より「NHK学生ロボコン(学生ロボコン)-ABUアジア・太平洋ロボコン(ABUロボコン)代表選考会-」に協賛しています。2025年6月に開催された学生ロボコン2025では、2年ぶり18回目の出場となる工学院大学ロボットプロジェクト(KRP)がマブチモーター賞を受賞しました。工学院大学OBのYusuke Sを含む当社社員3名が工学院大学を訪問、学生ロボコン経験者の当社社員・Kento Iがオンライン形式で参加し、KRPの皆さんから2025年大会の振り返りやこだわりが詰まったロボットの魅力についてインタビューしました!インタビューを受けるKRPの皆さんKRPとはロボット製作に取り組む工学院大学の学生プロジェクトで、学生ロボコンでの優勝とABUロボコン出場を目指して活動しています。2025年の競技課題「ROBOT BASKETBALL」について2025年のABUロボコン開催国であるモンゴルの人気スポーツ、バスケットボールを題材に、2台のロボットで構成されたチームが試合形式で競いました。全国から39チームがエントリーし、事前審査を通過した17チームが本選に出場しました。本選で魅せた! 安定したドリブル技術と高い守備力KRPは、「Koga(コーガ)」と「Queen(クイーン)」という2台のロボットで出場し、予選第1試合では正確なドリブルを披露した後、相手ファウルによる得点で勝利しました。予選第2試合では、「Queen」の巧みな操作により、相手チームのシュートをブロックするなど大健闘しました。安定したドリブル技術と高いディフェンス力が光り、マブチモーター賞を受賞しました。健闘するチームメンバー(左、中央)と、活躍を応援するKRP(右)KogaとQueen、それぞれの”らしさ”と設計の工夫!―製作したロボットのこだわりや強みについて教えてください!「Koga」(左)、こだわりや強みを説明するJunya Kさん(右)Yusuke SKogaの製作で挑戦的だったことは何ですか?Junya Kさんシュート機構の開発です。元々ローラーを使ってボールを発射する構想でしたが、様々な課題に直面しました。自分たちの技術力で対応可能な範囲を検討し、試行錯誤の末に定荷重バネを用いた方式を採用しました。その結果、一次ビデオ審査に間に合い、本選出場につながりました。Yusuke S技術力に応じた工夫が素晴らしいですね。Junya Kさん初めて発射できた時はとても嬉しかったです。大会直前のトラブルもチームで乗り越えました。「Queen」(左、中央)、後付け可能な妨害ネットのこだわりを説明するYuki Kさん(右)Yuki Kさんダンクシュートの成功を目指して「Koga」に重点的にコストをかけたため、「Queen」は既存の資材を活用した低コスト設計を徹底し、限られたリソースで最大限の成果を出せるよう工夫しました。技術面では、製作を通じて途絶えていた技術の復活に注力してチームの技術力向上を図りました。後付けの妨害ネット(愛称:サチコ機構)については、競技中の攻守交代の10秒間でスムーズに取り付けられるよう、過去のロボコンを参考に動画を見て研究し、形状を検討しました。―Queenの製作で苦労したことは何ですか?加工等を担当したSyutaro YさんSyutaro Yさん軽量化のための角パイプの肉抜き切削に苦労しました。すべての加工を終えるまでに約1週間かかりました。Yuki Kさんその結果、軽量かつ剛性の高い機体を実現できました。苦労もありましたが、見た目のインパクトや妨害ネットの「サチコ機構」という愛称も相まって、観客や参加者の記憶に残る機体を作れたことは大きな成果でした。適切なチーム分けが鍵! 個々の力を発揮するチームづくり―大会の準備で大変だったことは何ですか?また、どのように乗り越えましたか?リーダーのRyoga KさんRyoga Kさんロボット製作においてメンバーそれぞれの重視するポイントが異なり、意見の調整に苦労しました。ロボットが2台あったため、各メンバーの希望を反映できるようにチームを適切に分け、課題を乗り越えました。結果として、それぞれの力を発揮して本選出場を果たすことができました。ロボコンに向けて準備するメンバーロボコンを通じて得た感動も悔しさも糧に!―チームマネジメントを工夫して準備を進められたのですね!大会本番を振り返っていかがですか?Ryoga Kさん予選第1試合では、2台のロボットが正常に動作し、良いスタートを切ることができました。一方、第1試合終了後の動作確認が不十分だったため、予選第2試合での機材トラブルに対応しきれず、非常に悔しい思いをしました。2026年大会ではどの試合も冷静に臨みたいと考えています。―学生ロボコンの準備や本番で特に印象的だったことは何ですか?Jyunya Kさん二次ビデオ審査でダンクシュートを成功させた瞬間が、最高に嬉しく、最も印象に残っています。難しい課題を一度でも成功させることができたのは、貴重な経験となり、自信につながりました。私は学部4年生で、本来ならロボコン活動から引退している学年ですが、2024年大会のビデオ審査での敗退が悔しく、後輩の3年生と活動を続けました。本選出場でき、3年生には感謝の気持ちでいっぱいです。Yuki Kさんディフェンス力やアイディアが評価され、マブチモーター賞を受賞できて嬉しかったです。未来につなぐ技術と想い―次の挑戦に向けて―今後の抱負について教えてください!Ryoga KさんKRP発足以来、まだ決勝ラウンドへの進出は果たせていません。2026年こそは決勝ラウンド進出を目指します。また、自分たちが学生ロボコンに挑戦して得られた楽しさを、後輩の皆にも感じてもらえるよう活動していきたいです。Syu Kさん制御担当として、今回実装できなかった技術を、2026年は実現できるように研究を重ねていきます。また、技術継承の一環として、資料を整備して残したいと考えています。Yuki Kさん今回は先輩2人が活動に参加してくださり、とても心強く感じました。私たち3年生は学生ロボコンで引退してほとんど活動に参加しないのが通例ですが、直接指導や技術継承など後輩のサポートに積極的に取り組みたいと考えています。そうした取り組みにより、KRP全体の技術力向上を目指します。経験を力に! 当社社員からKRPへのエールKento I(左)、記念撮影するKRPメンバーとYusuke S(右)Kento Iメンバーの皆さんそれぞれが「組織の中でどう貢献できるか」という意識を大切にされている姿が印象的で、チームとして強くなろうという想いが伝わってきました。今後は一人で完結できることが減り、周囲と協力して成果を出す力がより重要になると思います。是非その意識を持ち続けて、ロボコンや就職活動、今後のキャリアにおいても力を発揮してください。ご活躍を応援しています!Yusuke S皆さんの取り組みをお聞きし、企業での仕事と重なる点が多いと感じました。限られた材料や納期の中で形にする考え方は、日々の業務でも重要です。学生のうちからそうした経験を積んでいることは大きな強みであり、技術とマネジメントの両面に関わる力は社会に出てからも役立ちます。皆さんのやりとりから、その力が育まれていることが伝わり、心強く感じました。今後も頑張ってください!2024年の悔しさを糧に、チーム一丸となって取り組まれた結果、本選出場を達成された皆さんの熱い想いやロボットに込められたた技術・こだわりに深く感銘を受けました。更なる高みを目指して、これからも頑張ってください!貴重なお話をありがとうございました!