当社にはものづくりに情熱を注ぎ、プライベートでロボットなどを製作したり、競技大会に出場したりする社員がいます。今回、9月15日に栃木県で開かれた電動自転車の競技「2024 Ene-1 MOTEGI GP」に出場した、「辺都心エネルギー変換」チームのメンバーとして活躍された当社のTatsuhiko Tに、大会の振り返りやものづくりへの想いをインタビューしました!「辺都心エネルギー変換」のチームメンバーとして活躍したTatsuhiko T(右から2番目) Ene-1 MOTEGI GP(以下、Ene-1)について単三充電池40本を動力源とする手作りの電動車で、全長4.8㎞のコースを1st~3rdアタックの各1周走行し、より長い距離をより短い時間で走破することを競う大会です。自転車ベースの「KV-Moto」と3輪以上の「KV-40」カテゴリーがあります。 ※詳細はこちら(2024 Ene-1 MOTEGI GP | Ene-1とは)仲間とのものづくりの楽しさが原動力— なぜEne-1に挑戦しようと思ったのでしょうか?実は私のEne-1歴は長く、高校2年の頃からEne-1に取り組む部活に所属し、大会に出場しており、大学でも活動を続けていました。自らの手で乗り物を作ること自体はもちろんですが、仲間と議論しながら一つのものを作り上げるプロセスが楽しく、また挑戦したいと思いました。今回は、大学時代の先輩とチームを組んで参加しました。 モーターのコントローラーを自ら設計・製作— Ene-1歴が長いのですね!どんなポイントにこだわって今回のマシンを製作されたのでしょうか?チームのテーマとして「汎用的な当社の標準モーターで、Ene-1競技専用に開発されたモーターに勝つ」ことを目指していました。また、小型・軽量な車体を用いるのがEne-1の定石なのですが、他のチームとは異なるアプローチで「何それ!?」と思われるような、風変わりなマシンを作り、好成績を収めたいという思いがありました。 — こだわりがたくさん詰まったマシンですね!どのくらいで準備されたのですか?4月から活動を始め、私が電気や制御を、先輩が機械を担当しました。メンバー全員が社会人なので、週末を中心にメンバーの家や大学を間借りして製作に励みました。時間も作業スペースも資金も限られていたので、IS-94BZCをチームに提供していただけたのは非常にありがたかったです。今回マシンに搭載したIS-94BZCには、大学院生の頃に「自分への誕生日プレゼント」として購入した思い出があります。2017年、当時は高校生でしたが、東京モーターショーの当社ブースで「マブチモーターにブラシレスがあるんだ!」と驚き、それから数年後にECサイトから購入可能なことを知り、すぐに購入しました。届いてからはコントローラーを自作して、色々動かして遊んでいました。この出力のモーターがこの価格で買えるのは、趣味でものづくりに取り組む人たちにとって画期的なことだと思います。左)自宅で準備に励むメンバーの皆さん 右)IS-94BZCを取り付けた自転車独特なマシンで他チームから注目を集めました!— モーター愛が深いですね!リソースが限られた中での挑戦でしたが、大会への取り組みを通じて良かったことや得られたことはありますか?まず、反省点としては、計画のマネジメントが不足していたことと、機構面のトラブルをつぶせなかったことの2点があります。今回、変速機をイチから設計したため時間がかかり、マシンの完成が大会前日になってしまい、十分なテストランができませんでした。また、当日は変速機のトラブルにより消費電力が大きくなってしまい、完走できませんでした。一方で、独特なマシンだったため、多くのチームが興味を持って見学に来てくれました。良い競技結果は残せなかったものの、多くの人と技術的な共有ができ、目立てたという点では成功を収められたと思います。今回の大会を通じて学んだこととしては、社会人になってから初めての挑戦だったので、学生時代とは異なり、時間や機材、場所などに厳しい制約条件がある中で、「どれだけ良いものを作れるか」というマネジメントの重要性を痛感しました。また、イチからから実際に作ってみたことで得られた気づきも多数ありました。シミュレーションでは上手くいっても、実機で想定通りに動くわけではないので、一つひとつ実際に検証することが大切だと学びました。大会を振り返るTatsuhiko Tソーラーカーレースへの挑戦を夢見て— 今後の目標を教えてください。競技面では変速機の機械ロスの低減と軽量化を進め、勝てるマシンを開発して1周10分以内を目指しています。また、モーターの出力に制限があるので、効率の良い制御を組み込みたいです。ちょっと飛躍してしまいますが、当社が昔取り組んだソーラーカーレースなどに、いつか挑戦できたら良いなと思います。また、ものづくりが好きな学生の支援を通じて、ものづくり人口の拡大に貢献したいと考えています。